編集の研修

編集者。なのに文章が下手なので、練習してます。

僕が編集長になるためにやること

編集長。出版社に勤める人はこの役職をどのように捉えているだろう。憧れ、目標、もしくは貧乏くじ?

 

入社して間もない新入社員が何を言ってるのかという話だが、僕は編集長になりたい。編集長になって、自分の信じるものを社会に送り出していきたい。

 

もちろん、一編集者として本を作り、社会に送り出すことはできる。しかし、企画を通すときも、デザインを決めるときにも必ず上司、編集長、社長の決裁が必要になる。この決裁の過程で、企画が没になったり、当初の構想と180度変わってしまうことも珍しくない。

 

自分の理想から大きく方向修正した企画を自分は愛し、100%の力を注ぐことができるだろうか……なかなか難しいだろう。

 

僕は、自分の考え、感覚、経験の全てを社会にぶつけるような仕事がしたい。「うまくいかなかったね~」などと傷をなめあうのではなく、成功も失敗も全て自分に返ってくるような仕事がしたい。

 

だから、僕は編集長を目指す。

 

でも、そのためにどうすればよいか? と考えても、今の僕に明確な答えは出せない。そこで、とりあえず十分条件ではなく、必要条件として、「編集長になるために必要なこと」を挙げていきたいと思う。

 

①ヒットを飛ばすこと

これは当たり前だけど、一番大事なことだ。会社に貢献するようなヒット作を多く出しているような人でなければ、編集のトップは任せてもらえないだろうし、部員もついてこないだろう。

何部売って、何回重版かけて、どのくらい利益を出したか。そういう数字の面で信頼されることが絶対に必要だ。

 

②出版をマーケティング視点で考えられること

うちの会社にもいろいろなタイプの編集者がいるが、みんな職人然としていて、あまりマーケティングに関心がない。

「いい本を作れば売れる」というのは、間違ってはいないが、「いい売り方をして売れる」本だっていくらでもある。

『嫌われる勇気』(ダイヤモンド社)も『おやすみロジャー』(飛鳥新社)も、ただ出版したら売れたわけではなく、その後のマーケティング戦略があったからこそ、あそこまでの大ヒットになったのだろう。

編集長ともなれば、営業や広報などと連携して、「どのように売るか」を考えられなければいけない。うちの部の編集長もよくマーケティングの話をしているが、そのような人物だったからこそ編集長になれたのだと思う。

 

③尊敬される知識があること

これは最近発売された『編集』(パイインターナショナル)にも書かれていたが、編集者は文学でも、音楽でも、芸能でもどんなことでもよいから誰にも負けない知識を持ち、面白がられる人間である必要がある。

編集者が一緒に仕事をする先生は人より深い知識を持っている(でないと本なんて書けない)。その先生と対等に仕事をするために、先生に負けない深い知識がなくてはならない、ということだろう。

編集長になるからには、どの先生にも、どの編集部員にも負けない知識の深さが必要になってくるはずだ。

 

以上の3つが現時点で僕の考える「編集長になるために必要なこと」だ。

今の僕には、これら3つはかすりもしなくて、絶望的な気持ちにもなるが、とにかくこの3つが目下の僕の目標になるだろう。

頑張ろう。と思う。