「入社して驚いたことある?」という質問に驚く
早いもので働き始めて3か月がたった。つまり、編集者になって3か月だ。
おっさんだらけの通勤電車も、どことなく息のつまるオフィスにも徐々に慣れてきたが、いまだに馴れないことがある。
それは「入社して驚いたことある?」という質問だ。この質問、ほんとにみんな聞いてくる。一つ上の先輩から、定年間際のベテランまで、異口同音に聞いてくる。
出版社という特殊な環境に身を置いているという選民意識があるからかもしれないが、僕はこの質問が答えづらくてほんとうに苦手だ。
「本って税別表示なのに驚きました~」などとあまりにも当たり前のことを答えてあきれられたくないし、「露骨な派閥があることに驚きました~」などと正直に答えて会社の微妙なところを指摘するわけにもいかない。
結果、「予想外のことばっかりで勉強させていただいてます~」などと微妙な笑顔を浮かべながら答えるはめになる。就活生の面接かよ。
結局、入社して一番驚いたのは「入社して驚いたことある?」と聞いてくる人の多さかもしれない。